カテゴリ: 間接リウマチについて・症状と治療方法
関節リウマチの進行プロセス
関節リウマチは、全身の関節で炎症から破壊に至る症状が起きる病気です。
進行のプロセスを見ていきます。
【初期】
関節を包む「滑膜」という組織に炎症が起こり始めます。
炎症により滑膜が増殖し、厚く腫れ上がります。
関節液が大量にたまり始め、こわばりや痛み、熱感が現れ始めます。
【中等度】
滑膜が増殖し、軟骨を侵食していきます。
関節周囲の筋肉が萎縮し始めますが、関節自体の変形は起こっていません。
【高度】
軟骨だけでなく、骨まで侵食・破壊され、筋肉の萎縮も進みます。
関節の動きが悪くなり、変形が見られます。
「脱臼」が起こることもあります。
【末期】
破壊が進行して、骨と骨が固着してしまいます。
痛みは緩和されますが、関節はまったく動かなくなります。
このように、関節が破壊され、変形すると、日常生活が非常に不自由になります。
しかし、早くから薬物療法を行う事により、悪化する前に症状を軽くできるケースもあります。
中でも抗リウマチ薬は特効薬とされていますが、効果がすぐに出ないため、その間は即効性のある非ステロイド抗炎症薬や、症状によってはステロイド薬を併用します。
【初期】【中等度】の段階で薬物療法の効果が見られない場合は、滑膜切除術や人工関節術などの手術療法も視野に入れなければなりません。
手術だけではリウマチ自体を根治できませんが、炎症の起きた滑膜を除去することで、症状の進行をある程度遅らせることが可能となります。
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関節リウマチと妊娠・出産
現在関節リウマチを患って治療中の女性の患者さんは、妊娠・出産への影響に悩む人が多い事と思われますが、医師の指示を守れば、問題はありません。
関節リウマチを治療中の妊娠の条件としては、リウマチの病状が安定している事、内蔵の障害がない事、副作用の恐れのある薬を止める事などがあります。
禁止すべき薬として、リウマトレックス、イムラン等の抗リウマチ剤があります。胎児に悪影響があるためです。
逆に、プレドニン、プレドニゾロン等のステロイド剤は胎盤で分解されるので、胎児には影響が及ばないとされています。
そのため、ステロイド剤での治療が一般的に行われています。
妊娠を予定している場合には、前述の抗リウマチ剤など、あらかじめ飲むのを中止しておかなければならないものがあるので、薬を変更する時期などを、早めに医師と相談しておかなければいけません。
妊娠中は免疫の作用が押さえられるため、リウマチの症状がやわらぐことがあります。
でもその分、産後にひどくなるケースもあり、育児が大変になる事を考えると、御主人や家族の協力がぜひ必要です。
ヘルパーさんの活用も考えておいた方が良いでしょう。
また、お乳を飲ませている期間の薬も、母乳を通じてどんな影響があるのか心配です。出産後はどういう治療方法をとるのか、やはり医師との相談が欠かせません。
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関節リウマチの新薬「レミケード」
現在、関節リウマチの治療薬として使用されている薬には、抗炎症剤、抗リウマチ薬、ステロイド剤の3種類があり、これらを適宜併用して治療します。
この3種類の薬は痛みなどの症状をやわらげるための対症療法として使うもので、病気そのものを原因から根治する薬はまだありません。
また、薬があまり効かない患者さんもたくさんおられて、新しい治療法が待望されてきました。
そんな折り、関節リウマチの炎症と最も関係のあるTNFαという分子群をターゲットとした画期的な薬「レミケード」が誕生しました。
レミケードは、炎症を起こさせるTNFαに作用する事で、細胞が活性化するのを阻止するので、炎症そのものを生じさせません。
しかし適用できる条件があって、メトトレキサート(リウマトレックス)などの、従来の抗リウマチ薬が効かなかった患者さんに限って使用を検討します。
またレミケードの副作用として、感染症にかかりやすくなったり、今かかっている感染症を悪化させたりするので、結核を患ったことがあったり、すでに感染症にかかっている人は、それを治してからでないと使用できません。(レミケードには、結核菌を殺すマクロファージという細胞の働きを抑えてしまう作用があるためです)
もちろん今までのリウマチ薬でも、副作用として肝臓や腎臓に影響するもの、消化器障害を引き起こすもの、感染症を起こすものなどがありました。
そのため、医師とコミュニケーションをよくとって、最適な薬を選んでいくのがより重要になってきます。
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関節リウマチの理学療法
難病として知られる関節リウマチの治療法には薬物療法、基礎療法、リハビリ、手術療法があります。
治療のメインはいうまでもなく薬物療法なのですが、平行して行われるのがリハビリです。
リハビリを行う事によって、つらい症状を改善し、生活の質(QOL)を向上させようというものです。
リハビリと一口に言っても、「理学療法」「運動療法」「作業療法」「装具療法」の四種類あります。
今回はその中でも、関節リウマチの痛みや腫れ、こわばりを柔らげるための理学療法についてお話しします。
温熱、赤外線、超音波、水や氷などの刺激を利用するものです。
リウマチの急性期には関節が腫れて痛みも激しいのですが、関節をサポーターや装具で固定し、安静を保っていると、腫れや痛みがだんだん治まってきます。
その後、ぬるい目のお風呂や手足の部分浴で関節を温めると、関節の周りの血液の流れが良くなって、痛みやこわばりが楽になります。
「温熱療法」といわれていて、赤外線や超音波療法、レーザー療法などの電気療法は診療所などで受けられますが、家庭でも自分で出来るものがあります。
入浴、部分浴、ホットパック、蒸しタオルなどは家で簡単に出来ますね。
お湯に浸かるという事でいえば、温泉療法、温水プールを利用する方法もあります。
朝起きた時に全身がこわばる症状の患者さんは、よく効くからと毎日朝風呂に入るそうです。
しかし、温める一方では具合の悪いときもあります。腫れて熱を持っている時の関節は、冷やした方が症状が良くなる場合があるのです。
その時は、痛みのある部分だけを、氷か冷湿布で冷やすようにして下さい。
温めるか冷やすか、その時の症状に応じて判断して下さい。
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関節リウマチの診断基準
関節が痛いという訴えからまず思い浮かべるのは関節リウマチですが、
実際には、関節の痛みを伴う病気はそれ以外に多数存在します。
そのため、関節リウマチについては、以下のような基準(アメリカリウマチ学会による)に沿って診断します。
●起きた時、関節がこわばっている
●関節が3箇所以上で腫れている
●手首や手の指の関節が腫れている
●左右対称で関節が腫れている
●手のエックス線検査で異常がある
●皮膚の下にしこりがある
●リウマトイド因子が陽性である
以上のうち、4項目以上あてはまると、関節リウマチと診断されます。
上記のリウマトイド因子が陽性、という項目は血液検査によるリウマチ反応が陽性、という意味です。
ただし、リウマチ反応が陽性、すなわち「リウマチ」ではありません。
健康な人や、関節リウマチ以外の病気を持った人に陽性反応が出ることもありますし、関節リウマチ患者でも10パーセント程の人は陽性になりません。
上記7項目のうち、血液検査やエックス線検査結果以外の症状は、自分でもチェックできるので、思い当たる症状があれば医師に伝えてください。
医師が診断する際に重視するのは、目に見える症状です。
朝起きた時に手を広げようとしたらこわばった、肘の外側や後頭部、膝の前部などの皮膚の下に痛みのない小さなしこりがある、などの具体的な症状を伝えて下さい。
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関節リウマチの原因
関節リウマチは、長い間原因不明の難病と言われてきました。
今のところ原因のすべてが明らかになったわけではありませんが、免疫システムの異常が関係しているということが分かってきました。
免疫とは、細菌やウイルスなどの異物(抗原)が体内に侵入してきたときに、異物を攻撃する武器(抗体)を作って、異物を即座に体外排除するシステムのことです。
この免疫システムが変調を来すと、色々な病気を発症させます。
例えば、無害のはずの花粉や食べ物に過剰反応してしまう花粉症や食物アレルギーなどは、免疫システムの変調によるものです。
これらの免疫反応の本来のターゲットは、体外から侵入してきた異物のはずですが、時には、自分の体を構成する細胞を異物と間違えて抗体を作り、自分自身を攻撃してしまうケースがあります。
そのような病気を「自己免疫疾患」といい、関節リウマチはその中の一つという事になります。
関節リウマチには、「リウマチ因子」と呼ばれる特有の自己抗体がありますが、患者さんのおよそ7割の人が「リウマチ因子」をもっています。
このリウマチ因子が、本来であれば自分の体を守るために働くはずの免疫グロブリン(Ig)中のIgGという抗体に反応して、炎症や痛みを起こします。
但し、リウマチ因子=関節リウマチではありません。リウマチ因子を持たない患者さんもいれば、健康な人でも持っていたりします。
ただ、発病と緊密な関係があって、関節リウマチの診断には欠かせない重要な要素であることは間違いありません。
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関節リウマチ 血液検査のポイント
関節リウマチの診断をする時は、「診断基準」のチェック以外に、触診、エックス線検査、血液検査、尿検査、関節液検査を行ないます。
その検査結果によって、体内で起きている変化や薬の副作用の有無、よく似た病気との違いなどが分かるようになります。
その中の「血液検査」におけるポイントを説明します。
・赤沈…代謝異常や組織の炎症があると赤血球の沈降速度が早くなります。関節リ
ウマチの程度や治療の効果を見ます。
・CRP…体内で炎症が起きたときに血液中に現れる特殊なたんぱく質で、他の膠原
病や感染症にかかっている場合も陽性を示します。
・白血球数…薬の副作用によって減少したり、他の感染症や悪性関節リウマチの疑
いがある場合に増加することがあります。
・赤血球数…病気の進行に伴って貧血症状が進むと値が減少します。
・血色素…非ステロイド抗炎症剤の副作用で、胃潰瘍または十二指腸潰瘍による出
血が起きていると値が下がります。
・リウマチ因子(RA検査)…自分自身の成分を敵と見なして免疫異常を起こしてし
まう抗体を調べます。
・血清タンパク分画…関節リウマチになると、α2グロブリン、γグロブリンの増
加が見られます。
・GOTとGPT…薬の副作用で肝臓に障害が起きると数値が高くなります。
・血清クレアチニン…薬の副作用で腎臓に障害が起きると数値が上昇します。
上記のポイントから、検査結果の意味を理解し、自分の病状がどのような状態なのかを把握しておくことが重要です。
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関節リウマチの手術について
関節リウマチの患者さんは、長期間薬を飲んだり、リハビリを受けたりしている方がたくさんいますが、現状維持がやっとで、症状の改善まで至らずに悩んでいるのが実情です。
それならいっそ、手術によって炎症を起こしている部分をとってしまうという考え方も当然あります。成功すれば、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
手術は大きく分けると、関節破壊にまで至っていない炎症部分を取り除く手術と、破壊してしまっている関節を取り除く手術の二種類に分かれます。
前者は、「滑膜切除術」といい、炎症が起きている滑膜を取り除いてしまうもので、主として手の指、手首、肘、肩などの関節に対して行います。
後者はやはり二種類に分かれていて、破壊された関節を固定する「関節固定術」と、関節を新たに人工的に作り直す「人工関節置換術」があります。
関節リウマチの手術で一番よく行われているのは「人工関節置換術」です。
「人工関節置換術」では、破壊された関節部分の骨を切り取り、かわりに人工関節を固定して関節が動くようにします。
手術を実施する箇所としては、膝が一番多く、次に股関節、手指、肘、足首、肩という順番です。
手術後は、痛みが取れて、普通に歩けるようになるなど、QOLが向上します。ただし、両膝が破壊されている場合に片方の膝だけを手術すると、残った方の膝関節に負荷がかかって症状が悪化し、結局そちらも手術が必要になるケースが多いようです。
闘病生活の長い患者さんや、進学・就職を控えた若い患者さんにとっては、手術療法は素晴らしい選択肢の一つです。
ただ、注意しなくてはいけないのは、あくまでも局所療法である事、手術は複数回に渡ることがある事、手術後はリハビリが必要な事などです。
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関節リウマチと運動の必要性
治療方法が時と共に変化するのはどんな病気ででも同じです。
難病と言われている関節リウマチでも、かかったらまず安静と、以前は言われていました。
しかし、どんな状況であっても、身体というのは動かさないでいると、関節が動かしにくくなり、筋肉が衰え、最後には寝たきりになってしまいます。
そのため現在では、出来るだけ関節を動かし、筋力の低下を防ぐために運動するべきと考えられています。
関節を動かす時は、痛く感じる所まで、曲げたり、伸ばしたりして下さい。
楽な、狭い範囲だけで動かしていると、最終的には関節の可動域が狭いままになってしまいます。
毎日、朝晩の2回は腕や足の関節を動かすようにして下さい。
次の日に疲れが残るようなら、やり過ぎです。
運動の後、しばらく安静にしていると、痛みが軽くなるくらいが丁度いいでしょう。
骨は運動によって負荷をかけないと、カルシウム分が定着せずに脆くなります。
同様に関節も動かさないと、関節液から軟骨への栄養が滞って骨が脆くなります。
といって、負荷をかけると痛みが強くて絶えられない患者さんなら、温水プールでの運動療法はどうでしょうか。
水中では浮力のおかげで、体重が軽くなって、陸上での運動に比べて関節への負担が減ります。
陸上では動かせなかった関節も水中では動かせるので、血流が良くなります。
水中の運動を繰り返す事により、関節の周辺の筋力も段々強化されてくるでしょう。
もちろん、どんな場合でも水中運動が良いとは限りませんので、医師と相談してから行うようにして下さい。
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